芸人交換日記@東京グローブ座

お笑いタグ付けようか迷ったんだけど、やっぱりお笑いじゃないよなぁと思って舞台タグにしました。多分あまり使わないタグであるとは思うけど。
てっきり見に行けないと思っていたところ、友達が追加販売分のチケットを取ってくれました。13時からの回です。本当に感謝!そして見終わった今、やっぱりこの舞台を見れて良かったと思う。原作は読んでないです。見に行く人で読みたい人は、見た後で読めばいいと思います。わたしは舞台で満足しちゃったので、内容知った今更読むのはどうしようかなぁと思っています。
東京公演は今日で終わったけど、これから大阪公演とDVD化が決定しているのでたたみます。
最初に言っておくけど、泣きました。鼻水が出るくらい大泣きしました。後半ずっと泣きっぱなしでした。
甲本役の田中圭さんはもともと好きな俳優さんだったけど、舞台は初めて見た。甲本はちゃらんぽらんだし、やたらテンション高いし、バカだし。でも、そんなバカが大人になって変わっていく。中盤での、甲本からの伝わるはずのない一方的な本音。ここで、田中圭ってこういう演技もする人なんだなぁって驚いた。バカで素直な人のはずなのに、本心と違う行動をとってしまう姿がすごく悲しい。
田中役の若林さんは田中であって若林でもあるなって思った。田中の性格が、わたしが思っている若林さんのキャラにかなり近い。この交換日記は全部で六冊の日記なんだけど、一冊目の頃の田中はもちろんオードリーが売れてなかった頃の若林さんにリンクする。そして六冊目、田中は冠番組を持つ売れっ子芸人になっているんだけど、「売れるって辛い。視聴率が悪くてレギュラー番組が終わっていく先輩を見て、自分もいつかテレビの世界から消えるんじゃないかって不安になる。」という独白がある。この台詞を言っているの人は田中じゃなく今の若林さん自身に見えた。別にオードリーが消えると思ってはいないけど、売れてる芸人さんもみんなそう思ってるんじゃないの。こんな台詞を芸人に言わせるってなんて酷なんだと思った。
他にも酷だなって思う場面がいくつもあって、こんな話をよく書いたなって思う(決して褒めてるわけじゃありません)。もちろん、これが現実なんだろう。なかなか売れないけど、賞レースに懸けていて、どんどん状態も良くなっていって、すごく楽しそうに漫才をやっているのに、大事なところで上手くいかなくてチャンスを手に入れられない。こんな人M-1とかでいっぱい見てきたよ。そして解散していった人達も。主役の二人ではないけど、失踪して辞めてしまった芸人の話が出たときも、芸人辞めた人の事を思い出していた。頭の中に、実在する(した)芸人さんがどんどん思い浮かんでくる。オードリー若林さんのようには成功しなかった人達が次々と…。現実とリンクする、だから酷だし、胸に響く。
「夢を諦める才能」っていう言葉がキーになっているんだけど、確かに辞める勇気ってすごいよね。でも芸人を辞めた甲本に対して田中が「ふざけんな!なに美談にしてんだよ!」って一瞬でもキレた事に少し救われる思いがした。二人が楽しそうにネタやってるのが見れるなら、(それで面白いなら)、それで良いって思う事もある。一生くすぶってていいなんて事ないんだけど、辞める事が必ずしも正解だとは絶対に思いたくない。
テーマソングにフジファブリックの「若者のすべて」が使われてた。天国でまた一緒に漫才しようと言うシーンの後にこれ流れたら、また別の意味で泣いちゃうって。この話はお笑い芸人の話だけど、音楽でも、俳優でも、人前に出ない全然違う職業でも、何にだって繋がる話。